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ちょっと変わった筋交い/大阪府池田市 I 様邸耐震改修工事 

池田市内で工事中のO様邸改修工事。

耐震改修工事のための耐力壁設置が完了し、先週の土曜日に設計事務所さんの検査を受け、無事に合格しました。

 

今回の耐震改修工事に際しては、構造設計事務所さんが構造計算をされているのですが、設置している筋交いの形状が普通とはちょっと違っています。

下の写真、一番奥に見えているジグザグの筋交いがそれです。

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僕は構造計算の専門家ではないので、この筋交いがどのように作用するのか良くわかりませんが、こういう形の筋交いは生まれて初めてです。

しかもこの筋交いは化粧で見せるのですが、なかなか個性的な内観になりそうです。
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墨付け中/大阪府池田市O様邸改修工事

大阪府池田市で進行中のO様邸改修工事。

現場では解体工事が進行中。

demolition201302

一方、加工場では今回新たに設置するバルコニーの墨付け作業が進んでいます。

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今回は設計が東風ではなく、東京の設計事務所様なので、番付にアルファベットが
混じっていてちょっと見慣れない感じですが、このバルコニーはなかなか独創的な
形になりそうです。

出来上がったらまたお見せしますね。
どうぞお楽しみに。

 

今回、大工工事を引き受けてくださるのは、豊中市在住の大工/沖本(おきもと)さんです。

まだ30代前半の若い大工さんですが、木が大好きで熱心な方です。
沖本さん、どうぞよろしくお願いします。

 

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自分たちの痕跡を残す/丹波市古民家再生・耐震改修工事

古民家再生中の現場で、先週外部犬走りのコンクリートを打設しました。

コンクリートが固まってしまう前に、クライアントご家族のみなさまが
みんなで揃って手形を押したり、名前や年月を彫ったりしました。

その時に写した写真です。

footprint

コンクリートが凍ってしまうのではないか?と心配するほど冷えた夜でしたが
ご家族のみなさまにとって、とてもいい思い出になったと思います。

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荒壁の質感/兵庫県丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

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上の写真は、古民家再生中の現場で乾燥を待つ荒壁(あらかべ)を撮影したものです。
(兵庫県丹波市・Y様邸現場にて)

荒壁とは、竹小舞で編んだ下地の上に最初につける、下塗り用の土壁のこと。
下塗り用の土なので、土の粒度やつなぎ材としてのワラスサなど、構成材がざっくりとしていて荒々しい表情です。

通常は、この荒壁の上に、もう少し肌理の細かい中塗り土を重ね塗りし、
場合によってはその上に上塗りをかけて仕上げます。
(東風では上塗りをかけないことも多いです)

 

最近、荒壁の表情豊かな、勢いのある質感にとても惹かれます。

荒壁について考えるなら、やはり再度、待庵(※)を観に行かねばならないなぁ・・・
などと考えている今日この頃です。

(※)待庵とは、千利休がつくったと言われる茶室の中で唯一現存している茶室のことです。
待庵の茶室の内壁は、荒壁で仕上げられています。

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構造補強のためのはしごフレーム/兵庫県淡路市古民家再生・耐震改修工事

淡路市のT様邸・古民家再生現場では、木工事もほぼ終わりに近づいています。

仕舞のついた2階から、クライアントのT様ご夫妻が自分たちで内装の壁塗りをされています。

僕が週末に現場へ行った折には、2階の壁はほぼ仕上がっていました。
下の写真は、T様が1階のリビング壁面の下地処理(ビス穴のパテ埋め)をされているところです。

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本当は石膏ボードを使わずに、全て土壁下地にしたいところなのですが工期や予算面での制約もあることから、今回は壁下地に石膏ボードを使っています。

ただ、もともとの建物が土壁と木組みによる伝統構法型建物であることから、筋交いや構造用合板などを入れずに、要所の耐力壁には石膏ボードと貫を組み合わせ、構造体が全体に固くなりすぎないように設計しています。

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上の写真のように、もともと土壁が残っていたところは上塗りの漆喰を一旦こそげ落としてから、凹んだ部分は土で底埋めをして全体を平滑にし、その後下地調整を行ってから仕上げ材料を塗ることにしています。

 

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上の写真はダイニングテーブル脇に設けた、はしご型フレームをアレンジした格子です。

古い通し柱に添わせるようにして、大きめの貫を5段入れて耐力要素にしています。

 

既存の通し柱がちょっと細かったので、巨大地震の際には通し柱が折れてしまうかもしれないという懸念が、解体工事後の調査の際に出てきました。

そこで検討した結果、柱が折れても建物の安全性が担保されるように、2階の床梁を支える管柱を通し柱に添えて新設し、それを使ってはしご型フレームを構成しています。

縦方向に入れた細い格子は化粧材で、特に構造上の要素にはなっていません。

このはしごフレームはダイニングテーブルのすぐ脇にあるため、いくら構造補強のためとは言っても、あまり無骨な姿になっては味気ないと考えて、少し繊細な雰囲気になるように、縦格子を添えたものです。
今後も、毎週末に少しずつT様が壁塗りを進め、9月末ごろには建物が竣工しそうな感じです。

T様、暑いのであまり無理せずに作業を進めて下さい。
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大工のこだわり/兵庫県淡路市古民家再生・耐震改修工事

淡路島のT 様邸へ前回行った時のこと。

大工さんが1階の床板を張る作業を行っていました。

T 様邸のダイニングキッチンの床は、ヒノキのフローリングを張って仕上げる部分と、素焼き風のタイルを張って仕上げる部分があるのですが、双方の見切りのために敷き無目(しきむめ)という部材がすでに設置されていました。

tome1
上の写真のL字型に廻っている艶やかなヒノキの部材がその敷き無目です。
このL字の角で、部材同士が斜め45°に合わさっている箇所のことを【留め(とめ)】と言いますが、 角度を変えてよく見てみると、 この留めのディテールに大工さんのこだわりを感じました。

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上の写真の赤矢印から緑矢印の部分には貫通ボルトが通されています。
これは留め(とめ) の合わせ口が後年になって開いたり隙ができたりしないように・・・と考えて、大工さんが一手間余計にかけてくれたものです。

こういう留めの口が開くのを一般に大工さんはものすごく嫌うのですが、この現場を納めてくれている総合建築 植田の佐藤さんという大工さんは大変細やかな方で、あらゆる端々の仕事がとてもきれいに仕上っています。

クライアントのT 様にも
「いい大工さんが手がけて下さって良かったですね」
と折に触れてお伝えしているのですが、T 様にもやはりその丁寧な様子がよく伝わっているようで、大変喜んで下さっています。

出来上がると何も見えなくなってしまうところですが、こういう端々に職人としてのこだわりや姿勢のようなものを感じますね。
価格はよそより少し高くても、納得できる家づくりができるというのは幸せなことだと思います。
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