月別アーカイブ: 2012年10月

おじいさんから受け継いだ家 竣工しました/淡路市古民家再生・耐震改修工事

築後約100年を経た淡路島の民家再生現場が竣工し、昨日写真を撮ってきました。
その一部をご紹介します。

現場が2月に始まってから工期も延びてしまい、クライアントのT様には色々とご心配をおかけしてしまいましたが、最終的には大変喜んで頂いた顔を観ることができて一安心しています。
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↑ 夕方の外観全景です。

 

次は玄関内観。

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玄関は左手の硝子戸は既存建具、天井も既存のまま。
右手の舞良戸は新設です。
何とかうまくまとまったようでよかった。

 

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↑ キッチンコンロ前のタイルはクライアント/T様の奥様が海のイメージでご自身で考えて、しかもご自身で貼られたものです。
すごくないっすか?

 

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DKに立って、吹き抜けに架かる階段を見たところ。
床は桧のフローリング(もちろん無垢材)
「ここだけは無節材にしませんか?」
と、クライアントのT様にご提案したのですが、
「いい材料を入れてくれたおかげで、ここだけ桧にしてホンマによかったわ~」
と喜んで頂けました。

手前右手の格子は極太の貫を入れ、化粧で細いタテ格子を入れた構造補強フレームです。

古材の床板はこの場所に元々張られていた松の床板。
全て一旦取り外して、大工さんが削り直した後で再度復旧してくれたものです。
再生前にはこの上にCFシートが貼られていて、接着剤まみれでした。
無事に生まれ変わって、材料も活きて、よかったよかった♪

 

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↑ 階段と2階廊下の手摺です。
すっきりと見えるように・・・ということを突き詰めた結果、大工泣かせの納まりばかりとなってしまいましたが、施工者/総合建築 植田の大工・佐藤さんが丁寧につくってくれたおかげで素晴らしい階段になりました。
本当にありがとうございます!

 

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↑ 2階寝室から小屋組みの丸太梁を見上げたところ。
材料は全て杉です。

淡路ではこういう杉丸太を小屋組みに使った建物が多いのだとか。
天井は丸太梁にヒカリツケだらけの杉羽目板張りですが、これだけで約1ヶ月かかっています。
ものすごく丁寧な仕事をしてくれた大工さんに感謝×感謝!

今回の改修前にはこの小屋組みが全て天井裏に隠れていたんですが、これが活かせてよかったなぁ・・・と、今になってしみじみ思います。

 

クライアントのT様、施工者の総合建築 植田のみなさま、東風スタッフ、みんなの力を合わせたおかげで、素晴らしい家に仕上がりました。

工事中はいろいろとT様にご心配をおかけしましたが、最終的に昨日本当に嬉しそうな表情を見ることができて、よかったなぁ・・・としみじみ思っています。

みなさま、ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

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古民家再生と古建具購入/兵庫県丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

兵庫県丹波市で進行中のY様邸 古民家再生工事では、2階に新しく設置する木製建具がたくさんあります。

ただ柱や梁などの構造材は古いままで、創建当初に施された古色塗りが残っているので、ここへ真新しい建具をたくさん持ってくると、見た目になじみにくいばかりでなく、かなり価格が高くなってしまいます。

そこでご提案したのが、古い建具を購入してきて設置する方法です。

新築物件の場合は、古い建具は建具巾の寸法が合いにくく、だからと言って建具を切り縮めたり大きくしたりするのにはかなり手間(=コスト)がかかるため、古建具をうまく使うのはなかなか難しいことが多いです。

 

しかし関西の古民家の場合は畳の大きさがほぼ一定だった(=規格化されていた)ため、建具寸法もそれに合わせてほぼ決まった寸法で作られていることが多く、古民家再生の場合は古建具を利用しやすいのです。

しかも、新しく建具を作ると板戸1枚あたり5-6万円かかってしまうところが、古建具を買ってくると2-3万円ですみます。
(註:材料や傷などの程度によって価格は変わります)

 

東風で古建具を探しに行く時にお世話になるのが、京都の井川建具店さん。
ものすごい数の古建具を常備されています。

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今回のY様邸で使う建具としては、格子が使われている間仕切り建具を中心に探してみました。

部屋を暗くしたくなかったため、というのがその理由ですが、個室を仕切る機能も果たしてもらわなくてはならないので、紙障子では少し物足りず、一部が板張りになっているものをピックアップしたというわけです。

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↑ こんなものや

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↑ こんなものなどです。

先週現場で行われた定例打合せの際に、Y様に写真をお見せして、デザインや機能がお好みに合うかどうかを確認したところ、概ねこの方向で問題ない、とのこと。

今回探した上記の建具は、残念なことに必要枚数が少し足りなかったので、建具の大きさや必要枚数などを井川建具さんに伝えておいて、次回仕入れの際に良さそうな建具があったら取り置きしておいてもらえるようにお願いしてきました。

いい建具が入ってくるといいなぁ・・・。

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竹小舞下地に荒壁をつけました/丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

兵庫県丹波市内で進んでいる、Y様邸古民家再生工事。

今週現場へ行ったところ、すでに編めていた壁の竹小舞下地に荒壁(あらかべ)がつけられていました。
荒壁とは、下塗り用の土です。

下の画像は、塗りつける前に現場内で寝かせて熟成(?)させている壁土の様子です。

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今回の荒壁は、古民家を解体した際に出てくる古い壁土を残しておいたものを使っているため、真新しい土だけを練って置いておく場合に比べて、こなれるのが早いです。
色もすぐにグレーに変色していました。

 

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上の写真2枚は、荒壁を片面だけつけた壁下地(裏側)の状態。
写真だけではちょっとわかりにくいですが、竹と竹の間から、塗りつけられた壁土が少しはみ出しています。

下の写真は、塗りつけた面を撮影した写真です。
良くこなれた土なので、色がすっかりグレーになっています。

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荒壁表面の様子(↓)

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今回片面のみ塗りつけた荒壁が乾燥したら、次に裏返しといって反対側から荒壁を塗りつけます。
おそらく裏返しができるのは3週間くらい先かな。

その時に塗りつけるための荒壁用の土が現場内のプールに仕込まれていました(↓)。

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この土も解体工事の際に出てきた古い土を使っているそうですが、この土は練り合わせてからまだ1日しか経っていないそうなので、普通の土の色をしていました。

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