月別アーカイブ: 2012年5月

小屋の杉丸太梁と天井板張り/兵庫県淡路市古民家再生・耐震改修工事

淡路市・T様邸では2階の天井板張り工事が進んでいます。

全ての小屋梁は杉の丸太で組まれていて、それを化粧で見せる仕上になります。
既存垂木の下端に胴縁(どうぶち)で下地調整をして、その胴縁に杉板を止めていくため、丸太梁とこの杉板がそこかしこで接触することになり、板を張るのに大変な手間がかかります。

awaji_ceiling2

先週末でおよそ半分が張りあがっていましたが、ここまでおよそ2週間かかっているとのこと。
天井が張りあがるまでにはおそらく丸まる1ヶ月くらいかかるのではないか、という予想です。

でも、総合建築 植田の職人さんが大~変丁寧な仕事をして下さっているので、仕上がりはすこぶるきれいです!
仕上がったら、きっと素晴らしい空間になると思います。

awaji_ceiling1

隅棟周辺の状態です。
右半分はこれから杉板を張っていくところ。

垂木と垂木の間に断熱材(ネオマフォーム)が充填されていて、垂木下端に胴縁を渡している様子が見えます。
この隅のライン(45度に振っているライン)をピシ~っと隙間なく付けて仕上げるのが難しいのですが、それが随所できれいにできています。

awaji_ceiling3

上の写真は杉丸太梁と桁その仕口あたりを写真に撮ったものです。

このように、丸太と天井板とが取り合ってくるところは、丸太の丸みの形のクセを拾って杉板に書き写し、その形の通りに杉板を切り欠いて張っていく作業を行います。

難なく納まっているように見えますが、とても地道で大変な作業です。
これから暑くなってくると大工さんの体にこたえるので、その前にこの作業が終わるといいなぁ・・・と思います。

 

上の画像中、古い丸太梁に墨書がありますが、これは桁の天端墨だということを書き記したものです。
この墨書はおよそ100年前にこの家を建てた大工さんが書いた文字ですが、達筆ですよねぇ・・・。
思わず見とれてしまいました。

 

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大工のこだわり/兵庫県淡路市古民家再生・耐震改修工事

淡路島のT 様邸へ前回行った時のこと。

大工さんが1階の床板を張る作業を行っていました。

T 様邸のダイニングキッチンの床は、ヒノキのフローリングを張って仕上げる部分と、素焼き風のタイルを張って仕上げる部分があるのですが、双方の見切りのために敷き無目(しきむめ)という部材がすでに設置されていました。

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上の写真のL字型に廻っている艶やかなヒノキの部材がその敷き無目です。
このL字の角で、部材同士が斜め45°に合わさっている箇所のことを【留め(とめ)】と言いますが、 角度を変えてよく見てみると、 この留めのディテールに大工さんのこだわりを感じました。

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上の写真の赤矢印から緑矢印の部分には貫通ボルトが通されています。
これは留め(とめ) の合わせ口が後年になって開いたり隙ができたりしないように・・・と考えて、大工さんが一手間余計にかけてくれたものです。

こういう留めの口が開くのを一般に大工さんはものすごく嫌うのですが、この現場を納めてくれている総合建築 植田の佐藤さんという大工さんは大変細やかな方で、あらゆる端々の仕事がとてもきれいに仕上っています。

クライアントのT 様にも
「いい大工さんが手がけて下さって良かったですね」
と折に触れてお伝えしているのですが、T 様にもやはりその丁寧な様子がよく伝わっているようで、大変喜んで下さっています。

出来上がると何も見えなくなってしまうところですが、こういう端々に職人としてのこだわりや姿勢のようなものを感じますね。
価格はよそより少し高くても、納得できる家づくりができるというのは幸せなことだと思います。
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