月別アーカイブ: 2012年12月

自分たちの痕跡を残す/丹波市古民家再生・耐震改修工事

古民家再生中の現場で、先週外部犬走りのコンクリートを打設しました。

コンクリートが固まってしまう前に、クライアントご家族のみなさまが
みんなで揃って手形を押したり、名前や年月を彫ったりしました。

その時に写した写真です。

footprint

コンクリートが凍ってしまうのではないか?と心配するほど冷えた夜でしたが
ご家族のみなさまにとって、とてもいい思い出になったと思います。

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荒壁の質感/兵庫県丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

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上の写真は、古民家再生中の現場で乾燥を待つ荒壁(あらかべ)を撮影したものです。
(兵庫県丹波市・Y様邸現場にて)

荒壁とは、竹小舞で編んだ下地の上に最初につける、下塗り用の土壁のこと。
下塗り用の土なので、土の粒度やつなぎ材としてのワラスサなど、構成材がざっくりとしていて荒々しい表情です。

通常は、この荒壁の上に、もう少し肌理の細かい中塗り土を重ね塗りし、
場合によってはその上に上塗りをかけて仕上げます。
(東風では上塗りをかけないことも多いです)

 

最近、荒壁の表情豊かな、勢いのある質感にとても惹かれます。

荒壁について考えるなら、やはり再度、待庵(※)を観に行かねばならないなぁ・・・
などと考えている今日この頃です。

(※)待庵とは、千利休がつくったと言われる茶室の中で唯一現存している茶室のことです。
待庵の茶室の内壁は、荒壁で仕上げられています。

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100年経った姿をイメージする/兵庫県淡路市T様 民家再生・耐震改修工事

これまでにも何度か考えたことがありました。
今、自分たちがつくっている(新築の)建物が100年経ったらどうなるんだろう?ということを。

今、私たちがよく目にする(註:近畿圏)築100年以上の建物のほとんどは、新築の際にすでに古色塗装が施されていることがとても多いです。
(↑ 他の地方ではどうかよくわかりませんが)

しかし、今東風で作っている新築住宅では、通常古色塗装を施していません。
それで少し不安だったのが、
「100年後の姿が画像として具体的にイメージしにくい」
というものです。

100年以上もつかもたないか?ということについてはあまり心配しておらず、自信もありますが、100年後にどういう姿になるか?というところがちょっと想像できないという感じでした。

しかし、今年竣工した淡路市のT様邸・古民家再生工事を終えてみて、
具体的なイメージが自分の中に定着しました。

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上の写真がT様邸の内観写真で、築後約100年を経過しています。
T様邸は近畿圏内では珍しく、柱や梁などの構造体に古色塗装が施されていません。

竣工当時(100年前)の構造材が茶色くなっているのは、時間が経過して
日に焼けたためです。

そして明るい色の木材は、今回新しく建てた柱や床板など。
もちろんこれらの材には着色を施していません。

今回自分なりに感じたのは、新築時の建物としては、古色塗装しない方が後年になって改装した時に美しく仕上がりそうだ、ということです。

 

濃い色で古色塗装してある場合、新しく入れた木材と創建当初の木材との色の濃淡があまりにもきついことが多いため、着色すべきかどうかについては毎回迷います。

古材に合わせて着色すると、色合いは統一感が出てまとまりがよくなるのですがどうしても均一になりすぎ、ベタッとして表情が乏しくなります。

古民家再生の場合、現場ごとに色合いが違うため、なかなか難しいところなのですが新築する際には、今後もこれまでどおり古色付けはしない、ということを基本路線においてつくっていくことに自信が持てたことが、今年のとても大きな収穫でした。

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