構造補強のためのはしごフレーム/兵庫県淡路市古民家再生・耐震改修工事

淡路市のT様邸・古民家再生現場では、木工事もほぼ終わりに近づいています。

仕舞のついた2階から、クライアントのT様ご夫妻が自分たちで内装の壁塗りをされています。

僕が週末に現場へ行った折には、2階の壁はほぼ仕上がっていました。
下の写真は、T様が1階のリビング壁面の下地処理(ビス穴のパテ埋め)をされているところです。

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本当は石膏ボードを使わずに、全て土壁下地にしたいところなのですが工期や予算面での制約もあることから、今回は壁下地に石膏ボードを使っています。

ただ、もともとの建物が土壁と木組みによる伝統構法型建物であることから、筋交いや構造用合板などを入れずに、要所の耐力壁には石膏ボードと貫を組み合わせ、構造体が全体に固くなりすぎないように設計しています。

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上の写真のように、もともと土壁が残っていたところは上塗りの漆喰を一旦こそげ落としてから、凹んだ部分は土で底埋めをして全体を平滑にし、その後下地調整を行ってから仕上げ材料を塗ることにしています。

 

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上の写真はダイニングテーブル脇に設けた、はしご型フレームをアレンジした格子です。

古い通し柱に添わせるようにして、大きめの貫を5段入れて耐力要素にしています。

 

既存の通し柱がちょっと細かったので、巨大地震の際には通し柱が折れてしまうかもしれないという懸念が、解体工事後の調査の際に出てきました。

そこで検討した結果、柱が折れても建物の安全性が担保されるように、2階の床梁を支える管柱を通し柱に添えて新設し、それを使ってはしご型フレームを構成しています。

縦方向に入れた細い格子は化粧材で、特に構造上の要素にはなっていません。

このはしごフレームはダイニングテーブルのすぐ脇にあるため、いくら構造補強のためとは言っても、あまり無骨な姿になっては味気ないと考えて、少し繊細な雰囲気になるように、縦格子を添えたものです。
今後も、毎週末に少しずつT様が壁塗りを進め、9月末ごろには建物が竣工しそうな感じです。

T様、暑いのであまり無理せずに作業を進めて下さい。
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