古民家再生と面皮となぐり-兵庫県川西市・築150年の古民家再生

兵庫県川西市で年末竣工に向けて古民家再生中。
大工さんが4人がかりで急ピッチで進めているのですが、ようやく先が見えてきました。

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写真は、玄関に新しく採り入れた面皮柱と壁留め丸太、化粧名栗の式台。
(断片的な写真しかお見せできず、スミマセン)

骨太の古民家の中で玄関だけは繊細な雰囲気にしてみようと、東風スタッフ・Oさんの提案で華奢な数奇屋の手法・材料を採りあわせてみたのですが、全く違和感なくすっと馴染んでお客様も大喜び♪

12/22(日)に1日だけ完成見学会を行う方向で調整中です。
正式にはまた改めてお知らせします。

構造補強の桧丸太梁/兵庫県川西市古民家再生工事

兵庫県川西市で工事中のE様邸再生工事。

着工前の調査の段階で、リビングになるべき部屋の上部梁に、大きな鉄骨梁が沿わせてあることが判明しており、その鉄骨梁を抜くために新たな桧の化粧梁を入れました。

まずは材料の選定。

現場にて母屋・梁などの既存構造材のレベル(=高さ)を測定し、それらをきれいに受けるためにはどのくらいの曲がりが必要なのかをまず図面(矩計図=断面詳細図)で検討します。

残念ながら、今回の現場にピタッと合う曲がり・長さの桧丸太は東風在庫の中にはなかったため、いつもお世話になっている三田市の西元製材所さんへ相談。

するとまさに太さも曲がりもピッタリの、長さ7mの桧丸太が西本さんの倉庫の一番奥に眠っていました。
しかも伐採後1年くらい寝ていたようで、乾燥も申し分なし。
その日に製材して側面に面(ツラ)をつけてもらいました。goronbo2013_01

↑ 製材した時の様子。
こうやって見ると、結構曲がってますね。

さすがに6mも長さがあると、大人4人でも持ち上げるのがやっとの重さです。
(末口φ270、元口φ420でした)
当然レッカーなどは使えないので、トラックから降ろすのも現場内に搬入するのも人力のみ。
外で刻んだら室内に搬入するだけで傷まみれになってしまいそうだ、ということで、室内で刻むことになりました。

 

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↑ まずは丸太梁を八角形断面になるまで、電気鉋で荒削りします。

 

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現物を見ながら、丸太の仕口や高さなどを相談する大工さん。

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背の曲がりで2階床梁(胴差し)と交差する仕口部分では、並列する別フレームに地震力の伝達をしてくれるようにしたいという趣旨を説明したところ、デベソのようなホゾを作ってくれました。

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下屋の桁(けた)と丸太梁元口の仕口。
既存下屋の桁が細く、また屋根は触らないため、下から掬い上げて柱で突っ張る納まりにしました。

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↑ 梁を設置する際には、大屋根の登り梁にかけたチェーンブロックで吊り上げて施工しました。

 

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完成したところ。

末口の端部は、太い柱にせずに2本の細い柱で挟み込んで間を透かした形にしました。
こういう納まりはあまり一般的なやり方ではありませんが、柱の断面欠損や他の梁とのからみなども考えて、今回はこの形にしました。

上に架かっている太い梁は松で太さが450mmくらいあります。
今回設置した桧の丸太梁は、吹抜けのあるLDKのど真ん中を渡っている格好になる象徴的な梁ですが、手が届くような低い位置にあるので、節も少ない木を選び、八角に削ることで端正な表情に仕上げました。

名栗加工2013/川西市で古民家再生・耐震改修工事

兵庫県川西市内で、9月下旬から築150年の古民家再生工事に着手しています。

着工してからというもの、現場の段取りや材料の手配などでバタバタしておりましたが、少し落ち着いてきましたのでブログを書き始めることにしました。

 

今週の月曜日(10/14・祝日)に、クライアントのE様と一緒に京都市右京区の京北町へ行き、原田銘木の原田さんにE様邸で使う玄関式台の名栗加工をお願いしてきましたのでご紹介します。
(以下、全ての画像は拡大表示できます)

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上の写真は、今回名栗加工を施す前の杉板。

長さは約2m、厚みは40mmです。
和歌山県産の杉板です。
1番玉という、木の中でも一番根元の節が出にくい場所から採った材料です。
樹齢は約100年の木。

 

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まず名栗加工を施す前に墨付け(すみつけ)を行います。

今回は片側に杉皮を残した板として仕上げるので、手前と奥とで板の巾が異なります。
そのため、ハツリ目の巾を微妙に変えながら仕上げていかねばなりません。

墨付けをしてくださっているのは、化粧名栗加工の職人・原田隆晴さん。
東風の化粧名栗加工は、いつもこの原田さんが手がけてくださっています。

 

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上の写真はちょうなで名栗加工を施している原田さん。

動画を2件アップしたので観て頂くとわかるのですが、結構早いスピードではつっていきます。

→ 古民家再生の玄関式台に使う化粧名栗板の加工 2013その1
→ 古民家再生の玄関式台に使う化粧名栗板の加工 2013その2

 

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↑ 名栗加工が完了しました。

原田さんが使われた蛤刃のちょうなを一緒に撮らせて頂きました。
何度見ても惚れ惚れする美しい仕上がりです。

 

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今回加工していただいた板の加工前・加工後の写真を並べてみました。

木目の見え方がかなり違うことがよくわかっていただけると思います。

 

東風ではよく玄関の上がり口の板(式台)にチョウナで化粧名栗(なぐり)加工を施した杉板を使います。

理由は様々あるのですが、主なものを挙げると
1. 原木を定期的に購入しているので、美しい杉の幅広・厚板が入手しやすい
2. 杉板は柔らかく傷つきやすいので、そのままカンナで仕上げると使っているうちに傷ついて見苦しくなってしまうが、名栗加工しておくと傷も目立ちにくく、味わいも深いので気兼ねなく使うことができる
3. 玄関先にこのような独特の表情の板があると、来客時にもツカミの話題として使うことができる
4. 何よりも美しく、足触りが気持ちいい♪
というところです。

東風ではいつも原田さんにご協力を得て、クライアントのみなさまの目の前で名栗加工をして頂いていますが、クライアントのみなさまも毎回大変喜ばれ、いい記念になるし、来客時にもご自身の言葉で説明でき、愛着もひとしおです。

購入検討中古物件の調査を行いました/兵庫県三田市

8/16(金)
お盆の真っ最中に、兵庫県三田市内の中古建物付き不動産物件の建物調査を行いました。

いろいろご迷惑がかかってもいけないので、物件が特定できるような写真はアップできませんが、
「市街化調整区域内の物件の購入を検討しているのですが、建物の調査をして頂けないでしょうか?」
というご依頼を頂き、現地へ行って参りました。
この建物は築50年とそれほど古くないのですが、使ってある材料がなかなかおもしろいものでした。

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上の写真は和室前の入側です。
この建物、柱はほとんどが栂(つが。関西では『とが』と呼ぶ)の木でした。

ここの床板は、どうも米桧(べいひ)という北米産の桧の柾目板を使ったようです。
ちゃんと無垢材が使ってあり、なかなかまっとうな大工さんが手がけたんだなぁ、と思いながら調査を進めました。

写真は無いのですが、玄関を上がってすぐの和室に巾450mmぐらいの大きな差鴨居(さしがもい)が入っていました。
これも米桧(べいひ)だったのですが、この木がすごかった。
何がすごいって、大きさもそうですが、すごかったのは木目です。
笹杢が出まくっていました。
あの大きさと笹杢の具合からみて、樹齢400-500年クラスの米桧だろうなと思います。

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東風はちゃんと小屋裏と床下も必ず調査しますよ。
今回の物件は小屋裏(←天井裏のことです)にすごく入りやすい家だったので、調査も楽でした(と言っても、もんのすごく暑かったけれど・・・)。
小屋裏はフツーの家でしたね。

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上の写真は、小屋裏に入って撮影した柱と荒壁です。
この家はちょっと変わった造りになっていて、2階の半分に床が無くて天井裏になっています。
(説明するのが難しい・・・)
そこから入ったところに裏面が仕上げられていない柱が見えていて、材木屋さんが捺した印字が残っていました。

写真には写っていませんが、「霧島栂 四方無節 12.0cm」と書かれていました。
霧島というのは産地のことで、鹿児島県北部で算出された栂の木ですよ、という意味です。
四方無節というのは、柱の4面どこにも節が無い木ですよ、という意味です。

 

この後でレベル・傾き・床下・蟻害調査などを行って、建物の概要を把握したところで、ご依頼主のH様にご報告。

いろいろな事情があって、結局この物件の購入は見送られることになりましたが、材料の選定や、1階2階の柱の配置状況、間取り、沈下や傾きの状況などから推測して、この家はきっと実直な大工さんが作ったんだろうな・・・ということがよく伝わってくる家でした。

建物の調査って、実はかなりおもしろいものなんです。
いろんな寸法を測ったり、樹種や樹齢を判別したりすることで、建てた当時の大工さんの人柄などが浮かび上がってくるんですよねぇ。

自分もあと何十年か経ったら、こうやって知らない誰かに建物を調査されるんだろうな。
その時に恥ずかしくない仕事をしておかないと・・・なんて思いました。

東風では不動産購入の判断の助けとなる、中古建物の調査をお引き受けしております。
専門家に見てもらって見解を聞きたいな、という方はお申し出下さい。

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奈良県御所市/築200年以上経った現役の町家を住み継ぐための家族会議

今日は朝一番で奈良県御所市へ。

8年前からご相談頂いている、N様邸にて行われる家族会議に同席させて頂くためです。

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N様のお宅は寛政四年(1792年)建立の棟札が残っているとのことで、計算すると今年で築後220年を少し超えたところ。

もちろん現役バリバリで住んでおられます。

といっても、これまでに少しずつ行ってきた調査によって、いろいろと傷んでいるところが散見されており、今後も安心して住み継いでいくためにはどうすべきか・・・という話し合いをこれまでに何度と無く重ねてきております。

N様のお宅には、江戸時代の貴重な文献があり、
「えっ!これがあの社会の教科書にでてきた○○○○が書いた本ですか!」
など、おそらく中学生以上の日本人ならだれでも知っている、江戸時代の大御所作家による、当時販売されていた本なども以前拝見しました。

今回家族会議を開催した座敷にも、下のような襖が。
美しい書体に惚れ惚れします。

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こうやって築後200年以上を経た家を、まだこれからさらに当たり前のように住み継いでいこうとされているN様ご一家。
次の次の代のことを考えて、今何をすべきか?
そしてご家族全員のコンセンサスをとりまとめるというのが、目下の最大の課題です。
すばらしい・・・の一語に尽きます。

サイトに物件事例ページを追加しました/神戸市 i 様邸増改築工事

毎日強烈な暑さが続いていますが、みなさまお変わりないでしょうか?
くれぐれも熱中症にはご注意下さいませ。

さて本日、東風の古民家再生・リフォーム専用サイトに新たな物件事例紹介ページを追加しましたのでお知らせします。
2011年に竣工した、兵庫県神戸市i様邸の事例ページです。

もともとはi様の祖父母がお住まいになられていた、築後約40年を経ている建物ですが、2011年にi様ご家族が増改築されて住まわれるようになりました。
茶道をされていたおばあさまの影響か、玄関は瀟洒な造作が施されていたので、玄関と座敷部分はほぼ当初のままで残し、それ以外の部分は建て替えて1棟になるように増築した住宅です。

建築主の i 様も一緒に和歌山へ行き、原木の伐採に立ち会った
桧から作った大黒柱と床板と梁を使っています。

ぜひご覧になってみて下さい。

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↑以前の雰囲気のままのこした玄関内観

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↑増築したリビング内観

 

詳しくはこちら → http://mokuzo-renovation.com/kobe2.html

内観イメージスケッチ/川西市内の古民家再生・耐震改修工事

兵庫県川西市内で9月に着工する予定の、築150年を経過した古民家再生工事。
現在、設計打ち合わせを重ねています。

クライアントのe様とイメージを共有するために、東風スタッフのOさんが内観イメージスケッチを何枚も描いていますが、やはりこういう絵を見て頂くと話が早いです。
お客様もすっと一瞬で理解して下さいます。

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上の画像はLDK内観イメージ。
打ち合わせを重ねた結果、リビングから薪ストーブの炎が楽しめる配置に落ち着きました。

 

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↑ 玄関内観イメージ。
飼っている室内犬のためにも、広い土間があるとありがたい、というe様のご要望で、玄関はこんな形に。

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最後は寝室内観イメージです。

 

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住む楽しみ/兵庫県川西市 中古住宅の内外装・耐震改修工事

2013/06/06(木)に、兵庫県川西市内にお住まいのk様邸へおじゃましました。

東風で作らせてもらった建物を実際に見ていただく目的で、伊丹市内に新築住宅を計画されているお客様をご案内したのです。
見学を快く受け容れて下さったk様のお宅へお邪魔したのは数年ぶりでしたが、楽しみながら住まわれている様子がひしひしと伝わってきて、こちらもとっても嬉しくなりました。

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竣工当時は高いブロック塀で囲われていた裏庭。
竣工後7年経過していますが、その間にご主人がブロック塀を撤去され、石を埋め込んで手摺を作り、緑豊かな坪庭を作っておられました。

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リビングの真ん中にドンと立っている古材丸太を再利用した松の柱。

工事の最中に近所の解体工事現場へ行って譲ってもらってきた柱ですが、童謡に歌われる歌詞そのままに、お子様の成長の証が刻まれていました。

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これは7年前の工事中写真です。

古材丸太の柱を磨く作業は、こんな風に当時はまだ小さかった息子さんたちも一生懸命手伝ってくれました。
(↑撮影:k様ご主人)

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リビング掘りごたつのすぐ脇にある裾窓には、かわいらしい生物の置物や貼り物(?)がそこかしこにありました。

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築35年の中古住宅を購入され、リフォームしたお宅です。

建築の作り手として一番嬉しいのは、一生懸命つくった建物が住まい手のご家族に愛されていることがわかった瞬間です。

奥様やご主人の言葉の端々や、家のそこかしこに置かれている家財・小物などから、そういった気持ちを感じます。
この仕事をやっていてよかったなぁ、としみじみ感じるひとときです。

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大阪府池田市/O様邸耐震改修+リフォーム工事 完成しました

2013年2月から取り掛かっていた、築20年の住宅リフォーム工事が完成し、お引越しを済まされました。
引渡し前日に写真を撮ってきましたのでお披露目します。

今回の建物は、設計が堀田憲祐様+Structured Environment様で、
東風は施工のみ担当させていただいております。

大工工事は沖本雅章さんが棟梁を務めてくれました。

外観写真に写っているように2400×2700の片持ちバルコニーを木造で作ったのが大きな特徴です。
施工する前は半信半疑でしたが、「これでこんなにしっかりするんだ・・・」と正直驚きました。

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淡路島の築100年再生民家 地震後の点検に行きました

連休後半の真っ只中、昨日は朝から淡路島へ。

昨年竣工した、築100年の古民家を再生したお宅へおじゃまして、先日の地震後の状態を確認・点検してきました。
こちらのお宅があった場所は被害が大きかった地域からは少し離れていたためか、気になるような損傷はほとんど見られませんでした。

報道では震度6弱の揺れだったので、地震直後にメールで施主様から事なきの連絡を頂いていたとは言え、筋交いも入れていない石場建て伝統構法の再生古民家がどうなっているか(特に土壁が)、自分の目で見るまでは不安でしたが、ようやく確認できてほっと一安心。

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建物外観。

まず外部をひととおりぐるっと回って点検しましたが、特に目立った損傷は無いようです。

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点検の後、奥様が出して下さった柏餅をいただきました。

ダイニングテーブル脇には、食事中に庭のもみじが楽しめるようにと、低めの位置にこんなピクチャーウィンドウを作っておきました。

窓の前は奥様が育てていらっしゃるハーブなどの鉢植えがいっぱい。
とってもいい雰囲気でした。

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ダイニングテーブル脇の植木鉢。奥様も、この家は住んでいていろんな楽しみ方が出来るのですごくうれしい、と仰って頂きました。

再生前は接着剤まみれで塩ビシートの下地になってしまっていた松の幅広床板。
大工さんが一旦取り外し、きれいに削り直して仕上げてくれたおかげで、素晴らしく生まれ変わりました。

施工は地元淡路島で丁寧な仕事を重ねておられる、総合建築 植田さん。
信頼できる工務店さんです。
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