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淡路市 築100年古民家×高気密高断熱 再生工事中です

2022年の秋から、淡路市内で古民家の再生工事に取り掛かっています。
当社では設計・監理業務を請け負わせて頂いておりまして、施工は淡路市内の瀬合工務店さんにお願いしています。

もともと施主様のおじいさん・おばあさんがお住まいになられていたお宅だそうで、長らく空家になっていたのですが、今回施主様がご自宅として再生して住まわれる予定です。

今回の建築主様は夏の暑さが苦手だとのことで、設計段階でいろいろ相談した結果、古民家を高気密・高断熱住宅として改修することになりました。

もともと店舗を兼ねた住宅として使われていた建物で、角材の化粧梁と天井板がこの家の顔になる設計です。

古民家にはよくあることなのですが、この家にも何気なくとても長くて大きい梁が使われています。
長さ約10m×梁背450mm(45㎝)の松の梁が2本。
もともとかなり大きな木だったことと思います。

これだけの木を約100年前に手配(伐採・製材・運搬)して運んでくるのはさぞ大変だったことだろう・・・ということに思いを馳せると、新築当時にこの建物にかける建築主や職人さんたちの意気込みがどれだけ大きかったか、ということも感じとることができます。

先人のみなさまの気持ちに寄り添い、その想いを自分たちなりに受け止めて、次の世代にいい形で渡せるように新たなメッセージを吹き込むのが我々の仕事です。

木造建築東風では、古くて暮らしにくい古民家でも安全×快適に再生することで、小さな子供達も
「この家かっこいい!すごくあったかい!
 この家なら住みたい!」
と感じてもらえるようにすることがとても大切だと考えています。


古民家を次の世代の子供たちから愛してもらえるように再生することで、日本の風景を美しく誇り高いものにすること。
それが当社の使命です。

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屋上ウッドデッキ(ケボニー杉)からの眺め/奈良県御所市民泊リノベーション

奈良県御所市内の中古住宅→民泊へのリノベーション工事。
内部はほぼできあがり、屋上ウッドデッキ(ルーフデッキ)の工事を行いました。

板金屋根(ガルバリウム製立平葺き)の上に、太陽光パネルを取り付けるための金物を用いて、屋根から少し浮かせた形で木下地を組んでいます。

ウッドデッキの床にはケボニー加工した杉の厚板を張りました。
ノルウェーのケボニー社が特許を持っている技術を使って、日本の杉に植物由来のアルコールを含侵させたケボニー材は、ノーメンテナンスでも外部使用におけるメーカー保証期間はなんと30年。

屋上デッキ(ルーフデッキ)の端には掃除用の溝を設けています。
(まだ溝フタは未完成です)

ルーフデッキから北向きの眺め。
この建物は葛城古道という古い街道に面して建っているため、周辺の民家の屋根が見下ろせます♪

ルーフデッキから西向きの眺め。
左の山が金剛山
右の山が葛城山です。

ここに座ってのんびりビールを飲んでくつろぐ時間は、なかなか幸せそうです。
2020年7月には建物が完成する予定なので、完成見学会を開催しようと思っています。

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大阪市・石場立て伝統構法・古民家再生 内装壁仕上工事

着工してから足かけ3年目に入っている、大阪市内のS様邸古民家再生工事。
いよいよ最終段階の内装壁仕上・左官工事を行っています。

今年の春に、建物に関する一通りすべての工事を終えて住める状態になっているのですが、今回の工事では壁下地を1から(すべての壁の竹小舞を編むところから) やり替えたので、 内装の上塗り工事だけは壁を十分乾かせて柱に移った土壁の水分も抜けるころになってからやりましょうということになり、半年以上時間を空けて上塗りを行っています。

左官工事はもうかれこれ25年以上もお付き合いしている、京都下賀茂の山本左官さんです。

左が砂漆喰。右が白漆喰。
漆喰は既製品ではなく、左官屋さんが自社の工場で独自の配合で作ってくれているものです。
ベテランのお二人。作業を見ていてもさすがの安定感です。
(写真では伝わらないのが残念。動画を撮るべきでした。)
僕が20代のころからお世話になっている原さん。
現場で助けて頂いたことは数知れず・・・。
本炉壇の塗り直しなどもちょくちょく手がけられる、抜群の左官職人です。
ブルーシートの下は板壁なので、漆喰が付着しないように養生しています。

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事務所の裏庭づくり_1 撒きゴケ

5月の連休から、時間を見つけては少しずつ少しずつ
東風事務所の裏庭づくりを自分たちで進めています。

素人工事なのでどうなるかわかりませんが(笑)、
これからその進捗状況に合わせて、随時経過を
報告させて頂くつもりです。

みなさまのご自宅などでのお庭造りの参考になれば
幸いです。

1か月ほど前になりますが、奈良県吉野町にある
東風の工場の裏に自生していた、コツボゴケ
という名前の苔を少し掘り起こして持ち帰ってきました。

こんな感じの苔です。
とてもきれいな緑色をしています。

koke0613_01
今日はこのコツボゴケをなんとかもっと増やしたい!
と思い、撒きゴケをしてみることにしました。

撒きゴケとは、密集して生えている苔を一株ずつにほぐして分け、
それをパラパラと撒いて育てる方法です。
びっしりと増えるまでには時間がかかりますが、
モノは試し、何でもやってみよう!ということで
時期的にも6月に始めるのは遅いと思うのですが
失敗してもいいや、という気持ちでやってみました。

掘り起こしてきた時の苔の状態はこんな感じです(↓)

koke0613_02

これ、パッと見ただけではわからないのですが、実はそれぞれの茎が1本ずつ
独立していて、単に根が絡まりあって一緒になっているだけのようなのです。

写真や言葉ではわかりにくいのですが、上の状態から
茎を1本ずつ丁寧にほぐしていくと、結構すんなり
ばらけて、下の写真のように外れていくのです。

これがほぐした後の苔1株の状態です(↓)。

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これをひたすらたくさん作っていきます(↓)。

koke0613_04

ほぐした苔を庭に撒きます。
パラパラ・・・。

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撒いたらその上から土をかぶせて、軽く押さえて土を締めます。
ギュッギュッ

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土を締めたら、表面が乾かないようにする覆いをかけます。
今回は杉の木のチップを撒いてみました。

koke0613_07

これでたっぷり水を撒いて、作業は完了です。

下の写真の丸印のところ3か所に、撒きゴケをしてみました。

koke0613_08

 

これでうまくいってくれれば、1か月くらい待つと、苔が活着して
生えてくるそうです。
これから毎日まめに水やりを頑張ります!

1か月後にまた報告させて頂きますね。

あなたはどちらが好きですか?
30年後に「そろそろ建て替えようか・・・」と言われる家と
「200年前のおじいちゃんが建てたの」と2218年に言ってもらえる家


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泉南市の民家再生現場 内装の状況 その1

11/25-26の2日間に見学会を開催する、大阪府泉南市のkさま邸現場。

これまでは内装の状況写真がなかなかご紹介できなかったのですが、本日現場にて何枚か写真を撮ってきたので、遅まきながらご紹介します。

いずれもまだ仕上げ工事の途中です。

 

和室の写真(↓)

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リビング吹き抜けの写真(↓)

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今回、金輪(かなわ)継ぎという方法で根継ぎ(ねつぎ)した通し柱(↓)。

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おかげさまで、少しずつ見学のお申込みを頂いております。

11/16時点で、全14組の受付枠に対し、8組のみなさまからお申込みを頂きました。

空きはあと6組です。

 

ご見学に際しては、必ず前もってお申込みを頂く形をとっております。

空き状況やお申込みの方法など、詳しくはこちらをご確認下さいませ。

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名栗加工2013/川西市で古民家再生・耐震改修工事

兵庫県川西市内で、9月下旬から築150年の古民家再生工事に着手しています。

着工してからというもの、現場の段取りや材料の手配などでバタバタしておりましたが、少し落ち着いてきましたのでブログを書き始めることにしました。

 

今週の月曜日(10/14・祝日)に、クライアントのE様と一緒に京都市右京区の京北町へ行き、原田銘木の原田さんにE様邸で使う玄関式台の名栗加工をお願いしてきましたのでご紹介します。
(以下、全ての画像は拡大表示できます)

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上の写真は、今回名栗加工を施す前の杉板。

長さは約2m、厚みは40mmです。
和歌山県産の杉板です。
1番玉という、木の中でも一番根元の節が出にくい場所から採った材料です。
樹齢は約100年の木。

 

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まず名栗加工を施す前に墨付け(すみつけ)を行います。

今回は片側に杉皮を残した板として仕上げるので、手前と奥とで板の巾が異なります。
そのため、ハツリ目の巾を微妙に変えながら仕上げていかねばなりません。

墨付けをしてくださっているのは、化粧名栗加工の職人・原田隆晴さん。
東風の化粧名栗加工は、いつもこの原田さんが手がけてくださっています。

 

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上の写真はちょうなで名栗加工を施している原田さん。

動画を2件アップしたので観て頂くとわかるのですが、結構早いスピードではつっていきます。

→ 古民家再生の玄関式台に使う化粧名栗板の加工 2013その1
→ 古民家再生の玄関式台に使う化粧名栗板の加工 2013その2

 

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↑ 名栗加工が完了しました。

原田さんが使われた蛤刃のちょうなを一緒に撮らせて頂きました。
何度見ても惚れ惚れする美しい仕上がりです。

 

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今回加工していただいた板の加工前・加工後の写真を並べてみました。

木目の見え方がかなり違うことがよくわかっていただけると思います。

 

東風ではよく玄関の上がり口の板(式台)にチョウナで化粧名栗(なぐり)加工を施した杉板を使います。

理由は様々あるのですが、主なものを挙げると
1. 原木を定期的に購入しているので、美しい杉の幅広・厚板が入手しやすい
2. 杉板は柔らかく傷つきやすいので、そのままカンナで仕上げると使っているうちに傷ついて見苦しくなってしまうが、名栗加工しておくと傷も目立ちにくく、味わいも深いので気兼ねなく使うことができる
3. 玄関先にこのような独特の表情の板があると、来客時にもツカミの話題として使うことができる
4. 何よりも美しく、足触りが気持ちいい♪
というところです。

東風ではいつも原田さんにご協力を得て、クライアントのみなさまの目の前で名栗加工をして頂いていますが、クライアントのみなさまも毎回大変喜ばれ、いい記念になるし、来客時にもご自身の言葉で説明でき、愛着もひとしおです。

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内観イメージスケッチ/川西市内の古民家再生・耐震改修工事

兵庫県川西市内で9月に着工する予定の、築150年を経過した古民家再生工事。
現在、設計打ち合わせを重ねています。

クライアントのe様とイメージを共有するために、東風スタッフのOさんが内観イメージスケッチを何枚も描いていますが、やはりこういう絵を見て頂くと話が早いです。
お客様もすっと一瞬で理解して下さいます。

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上の画像はLDK内観イメージ。
打ち合わせを重ねた結果、リビングから薪ストーブの炎が楽しめる配置に落ち着きました。

 

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↑ 玄関内観イメージ。
飼っている室内犬のためにも、広い土間があるとありがたい、というe様のご要望で、玄関はこんな形に。

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最後は寝室内観イメージです。

 

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