昨年秋から今年の春にかけて当社で設計・施工した、築60年古民家再生×賃貸住宅の入居者を募集しています。
兵庫県川西市、阪急川西能勢口駅よりなんと徒歩5分の立地です!
オーナーは当社ではないのですが、当社でごくごく簡単な内観動画を作成しました。
ご興味のある方は当社サイトの問い合わせフォームよりご連絡頂ければ、とても気さくなオーナー様におつなぎいたします。
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毎月第1土曜日は、社内研修会/伝承会の日です。
9月・10月と現場の都合で実施できなかったので、3か月ぶり。
コロナによる海外からの旅行者入国制限も完全撤廃されたので、これからまた京都は激混みになっていくだろうと思い、今回も京都へ。
今回の伝承会では、八竹庵(旧・川崎家住宅)庭園に行きました。
数寄屋の名工の一人、上坂浅次郎 棟梁による木造建築です。
大正15年(昭和元年)築とのこと。
大工×設計スタッフ、ベテランと若手が一緒になって同じものを観ることで、今回もいろんな学びがありました。
この欄間(↑)は、日本画家・竹内栖鳳によるデザインだそうです。
桐の1枚板に山並みと極小の松が刻まれたもので、洗練されたバランスの中に精緻な技も光る素晴らしいものでした。
続き間での連続性を意図した天井竿縁の意匠と欄間の透け具合がとても秀逸。
2階の洋間(↑)。
床はヘリンボーンの寄木張り。
材はナラやチークなどが使われていて、大正~昭和初期の洋間の造作によく見られるデザインが施されていました。
2階建て母屋部分の外観
座敷前の主庭(↑)
うまく解説できませんが、庭木の剪定なども含め、素晴らしかったです
床下を覗いているのは、もちろん東風のスタッフです(笑)。
真黒石(まぐろいし)で補完された沓脱石の造形も素晴らしい。
家族用 内玄関の土間と沓脱石。
上品なビシャン仕上げの御影板石と小さな自然石を組み合わせた、柔らかな印象の土間。
玄関脇の応接間から小間(茶室)へ席入りするための露地の飛び石。
伽藍石の古石などいろんな形の石を取り混ぜ、景石に苔や下草を取り合わせたデザインのバランスが素晴らしいと感じました。
個人的には以前にも訪れたことがあったのですが、今回は建物よりも庭に感心したところが多かったです。
以前に訪れた時は庭に感じ入った記憶は全くなかったので、自分も日々いろいろ学ばせてもらって成長しているんだなと感じました。
世界に、300年先も美しい風景を
(株)木造建築東風のサイトはこちら
実はこっそり始めていたのですが、2022年の3月から毎月第3土曜日に社内研修会を開催しています。
名前は『東風伝承会』にしました
もう何年も前から、
「全社員参加で、建築を学ぶための社内研修会を毎月行いたいなぁ・・・」
と考えていたのですが、これまではなかなか始められずにいました。
しかし、
・いつまで自分が仕事ができるかわからない
・若いスタッフを、骨太の実力を持った人材に育てねばならない
・ベテランの大工さんにもまだまだ教わりたいことがある
なんてことを考えていたら、もうすぐにでも始めなければ!という気持ちになったので、無事に3月から始めることができました。
この東風伝承会、おそらく今後も半分くらいは京都へ行って古典建築を見て学ぶことになるだろうと思うのですが、設計・大工・木材・左官・建具・造園・林業などなど、学ぶべきことはそれこそ際限なくあります。
木を観るために山にも何度も行くと思うし、いつも東風を支えて下さっている協力業者さんを訪ねて行って、それぞれの専門分野のお話を聴かせて頂くことももちろん考えています。
たまには会社の枠を超えて、
「一緒に参加してみたい」
という方がいらっしゃれば、そんな方も受け入れていっしょに学んでいくかもしれないな・・・とも思っています。
前置きが長くなりましたが、今回は京都で2軒の古典建築を拝観してきました。
やはり京都へ行くなら、コロナで訪日外国人が少ない今ドンドン行くべきでしょ!ということもあります。
1軒目は、左京区にある瑠璃光院(るりこういん)です。
ここは数寄屋建築の名工・中村外二棟梁が若いときに手掛けられた別荘です。
連休も外したし、割とすいてるかな・・・?なんて思ったのですが、甘かったです。
10:30ごろ到着したのですが、すでに80人くらい並ばれていました。
どんなところを観て、どんなふうに解説したのか?などについては企業秘密(笑)なので書きませんが、昭和初期の建物とはいえ、学ぶべきところが満載でした♪
午後からは南禅寺の塔頭・金地院(こんちいん)へ。
ここも自分では何度となく訪れていますが、やはり来るたびに発見することがあります。
金地院では、小堀遠州の鶴亀の庭、茶室/八窓の席など特別拝観エリアが目的です。
(茶室エリアは撮影不可なので写真はありません)。
長谷川等伯や狩野探幽の襖絵をはじめ、建築のいたるところに学ぶべきヒントがありました。
自分たちは奈良県に拠点を構えているおかげで、奈良ももちろんそうですが京都へも車で1時間半走れば、気軽に第一級の古典建築を拝観することができます。
こんなに恵まれている環境を活かさない手はないので、今後も遠慮なく活用させて頂きます。
(感謝×感謝!)
ちなみに今回の東風伝承会は第3回目でしたが、第1回目は京都の詩仙堂と曼殊院門跡を拝観させて頂きました。
2回目は東風の自社設計・施工物件を観て回り、古典建築をどのように現場に活かしたのか?について解説しました。
今後もまた実施したら定期的にブログで報告させて頂きます。
(株)木造建築東風東風のサイトはこちら
世界に、300年先も美しい風景を
奈良県御所(ごせ)市内に、御所まち(ごせまち)と呼ばれるエリアがあります。
江戸時代の街区が今もそのまま残っており、多くの古民家が面的に広がる街区です。
御所市としては、古いまちなみを活かした魅力的なまちづくりを進めていこうと様々な取り組みを進めている最中なのですが、その一つとして現在、御所まちエリア内に点在する4軒の古民家を、さまざまな商業施設(※)として再生するプロジェクトに東風も関わらせて頂いています。
※ 古民家ホテル、レストラン、銭湯など。
事業主は(株)御所まちづくり様
東風では、大正時代から御所まちの中で営業をされてきた、宝湯(たからゆ)という銭湯の改修工事を手掛けさせていただいています。
宝湯はすでに廃業されてしばらく時間が経っていたので、いろんなところで建物がダメージを受けていたのですが、もっとも特徴的だったのが外観正面の入母屋(いりもや)屋根部分の陥没です。
上の写真を見て頂くとおわかりかと思うのですが、矢印の部分で屋根が陥没し、中央に見えている三角屋根(入母屋)の部分が右に傾いています。
室内から天井をめくって調べてみたところ、長い間屋根が雨漏りをし続けた結果、構造材である桁(けた)と柱・土台に水が回って、腐りとシロアリによる被害を受けていたことがわかりました。
ちょうどこの工事にかかわらせて頂くお話を頂いた時期が
「これからどんどん台風が来ますよ~♪」
という9月上旬だった(汗)ので、まずはとにかく慌てて仮の補強(突っ張り)工事をチャチャっと行いました。↓
この作業を行うことで
台風に伴う大量の雨風によって屋根が水を含んで重くなり
→ 重くなった屋根の自重を支えきれずにグシャッとつぶれてしまう
という最悪の事態にならないように・・・ということへの対策はできました。
次に本格的な修理工事です。
屋根瓦を降ろして荷重を軽くしたうえで、傾いていた屋根の修正をするためのジャッキアップをし、骨組み=構造材(梁・桁・柱・土台)の入替えや補強工事を行います。↓
骨組み工事が完了して、きちんと荷重を支えられるようになったら、次に屋根の下地工事を行いました。
腐っていた垂木(たるき)や野地板(のじいた)などの屋根下地材を入れ替えて↓
ルーフィング(屋根の防水材/写真中グレーのシート部分)を葺きなおし、瓦を葺きなおすための桟木(さんぎ)を打ち付けていきます。↓
最後に、下ろした古い瓦を屋根の上にもう一度上げて葺きなおしたら完成です。
冒頭で申し上げた通り、今回は古いまちなみを活かしたまちづくりの一環なので、瓦も新しいものを使うのではなく、既存の古い瓦をていねいに解体して保管しておき、それを再利用して屋根を葺き直しました。↓
無事、こんな感じでシャキッとした屋根ができました♪↓
大正時代から御所のみなさまに愛されてきた宝湯が、新しい形で輝きを取り戻し、将来のまちの魅力の一つとなるように、当社としてもできる限りのことをさせて頂くつもりです。
(株)木造建築 東風
世界に、300年先も美しい風景を
朝、薪ストーブに着火するときには焚き付けが必要になります。
キャンプで飯ごう炊さんをされた時や焚火をする時のことを思い出してもらえればおわかりかと思うのですが、いきなり太い薪には火が付きません。
最初は新聞紙などの着火剤に火をつけて、それが細い焚き付け材に燃え移り、太い薪に火が付くのはそのあとですよね?
薪ストーブもそれは同じで、いきなり太い薪に火をつけるのは無理です。
そのため、着火時には薪以外にも焚き付け材を用意しておく必要があります。
焚き付け材は、小割にした針葉樹が便利です(上の写真の右半分)。
針葉樹は広葉樹に比べて細胞内に空隙を多く含むため、比重が軽くて火付きが良いのです。
下の写真は、燃料用の広葉樹の薪です。
これは樫(かし)の木で太さは9㎝あります。
下の写真は焚き付け用材で、小割にしたヒノキ。
太さは3㎝くらいです
この焚き付け用材は細くないと火付きが悪いので、細かく割っておく必要があります。
昔から木を小さく割るときには、片手で扱えるナタを用いるのですが、このナタで木を細く割っていくときにケガをされることが多いのです。
ちょっと指先を切って出血してしまった・・・ぐらいならまだ良いのですが、骨折したお客様のお話なども聞きます。
そんなことにならないように、安全でだれでも簡単・便利に小割ができるのがキンドリングクラッカーです。
どんなものか説明するのに、実際の作業を動画に撮影してみましたのでご覧ください。
東風の事務所でももちろん毎日使っていますし。お客様が薪ストーブを導入される際には、必ずお奨めしている商品です。
奈良県御所市内で、雄町(おまち)という酒米だけを使って酒づくりをしている、葛城(かつらぎ)酒造の銘酒・百楽門(ひゃくらくもん)。
日本酒好きの方の中には、この百楽門の熱烈なファンが多くいらっしゃいます。
オマチストと呼ばれる、酒米・雄町の酒が好きな方々がいるんだそうです。
今回はこの百楽門を多面的に味わい尽くす、小人数限定の特別なツアーが企画されたのでご案内します。
葛城酒造 外観
葛城酒造さん(奈良県御所市)では、基本的に酒蔵見学を受け入れておられませんが、今回はツアーの趣旨にご賛同頂き、3~5名というごく小人数限定で、特別に酒蔵の見学をさせて頂けることになりました。
そして百楽門をつくるための酒米は、岡山県産の雄町(おまち)という品種なのですが、この雄町は岡山県外での作付けが認められていません。
しかしながら今年初めて、御所市内の杉浦農園/杉浦英二さんが試験的にごく小量の栽培を許可頂いて、今春に田植えをし、順調に育っています。
このお米からお酒を造ることは認められていないのですが、百楽門を魅力を多面的に味わって頂くために、以下のようなツアーを企画して下さいました。
行程その1.百楽門の酒米/雄町の収穫体験&しめなわづくり
一般的な酒米の稲の1.5倍の背丈(デカイ!)に成長する雄町米。
(※上の写真は雄町ではありません。イメージです)
その稲を実際に収穫して頂いてから、その稲わらを使ってしめなわづくりをし、作ったしめなわは年始用にお持ち帰り頂きます。
その2.葛城酒造の酒蔵見学&試飲
&百楽門を醸す古いまち/名柄を歩く
葛城酒造は、日本を代表する古道の一つ・葛城古道に面して建っています。
地元・名柄には江戸時代に建てられた古民家も多く残っている、趣深いまちなみがある地域です。
その3.杜氏・久保伊作氏の話を聞きながら
地元の郷土料理&百楽門を味わう
やっぱり何といっても百楽門を味わうのが一番!
そして当日は葛城酒造の杜氏である、久保伊作氏のお話を聞きながら、地元で採れた食材でつくるおいしい料理とお酒を堪能できます。
ツアー料金、行程、申込先などは以下をご参照ください。
★御所の御神酒「百楽門」を探り求め
木造古民家・一棟貸しの宿で贅沢な一夜を
日程
第1班:10/23(土)~10/24(日)
第2班:10/24日(日)~10/25(月)
旅行代金
一人3万1000円(5名グループの場合)
一人3万5000円(4名グループの場合)
一人4万0000円(3名グループの場合)
※1日目のタクシー代(2日目は補助金活用)、食事代、体験料、旅行傷害保険代を含む
定員 各班先着1グループ(3~5名)※奈良県民限定
集合場所 近鉄御所駅の時計台前
行程
1日目
近鉄御所駅9:30
~伏見の棚田(雄町試験田で雄町米の収穫と ハザ掛け))
~さんろくカフェ(ランチ)
~葛城酒造(酒蔵見学、試飲)、国指定重要文化財の中村家住宅など古民家の町並み散策
~東風の宿(リノベーションされた木造古民家・一棟貸しの宿)でご宿泊
※夕食は百楽門とお酒に合う地元食材の郷土料理をご提供
2日目
名柄9:00
~高鴨神社、葛城の道歴史文化館
~葛城一言主神社
~片上醤油(醤油蔵見学、弁当昼食)
~九品寺
~近鉄御所駅14:00頃
お申込はこちらからどうぞ
Eco Resort御所郷(金剛葛城山麓地区農泊事業推進協議会)
奈良県御所市の民泊改修物件、造園工事を進めてもらっています。
造園工事を手掛けて下さるのは、いつもお願いしている京都市の池内さん。
今回の庭では、庇に樋をつけなかったので、雨落ち(あまおち)という雨水受けの排水溝みたいなものをつくってもらいます。
まずは掘削から。
雨落ち用溝の仕切り板として、和瓦を用います(下の写真)。
これは当社事務所の離れ棟の解体工事で出てきた古い瓦を残しておいたもの。
100年くらい経っているものなので、色ムラや古ぼけた感じがでていて、これが最後出来上がった時にじわっと効いてくるんです。
ほんのちょっとしたことなんですけどね。
でもそれでずいぶん印象が変わります。
古瓦はまだまだ自社でストックしています。
これからつくられるお客様のお庭で欲しくなった時に困らないように、と思って。
今回の現場では建物がL型に回り込んでいるので、雨落ちもL型に。
溝の両端に古瓦を立てて並べていきます。
↑ 雨落ちを渡るところの飛び石も設置して、石灯籠までの道ができました。
ところどころで石が瓦からはみ出しているのが効いてます。
今回据えてもらった石燈篭は、神戸市内に建っていた昭和初期の素晴らしいお宅が解体されるときに譲って頂いたものです。
しばらくうちの事務所で眠っていたのですが、ようやく日の目を見るときが来ました。
京都の著名な庭師(名前は伏せておきます)が戦前に作庭された庭で使われていたのですが、ちょっとユーモラスな感じのフォルムです。
今回、蹲(つくばい)には、高さのある立ち蹲(たちつくばい)を使うことにしてみました。
これは橋の杭のような形をしているから、橋杭型というそうです。
リビングから正対して庭を見たところ。
モミジがまだ小さくてかわいらしいのですが、これから少しずつ大きくなっていって、だんだんイイ感じになっていくのでしょうか。
来週は犬走りのたたきを仕上げていく予定です。
まだ少し先ですが、最終的には苔庭になります。
どうぞお楽しみに。
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↓ ↓ ↓
世界に、300年先も美しい風景を
奈良県御所市/中古住宅→民泊への改修工事。
1階の和室では天井紙貼工事が進行中です。
今回天井・壁紙として貼らせてもらっているのは、奈良県東吉野で福西和紙本舗さんが製作されている、宇陀紙(うだがみ)という手漉き和紙に、あけびで草木染めを施した淡いグレーの和紙。
貼って下さる職人さんは、奈良県桜井市の表具師・森本さん。
今回初めてお願いした方なのですが、とてもすばらしい職人さんで、今後もぜひご一緒したいなぁと感じました。
木製の道具(桶と刷毛)も使い込まれています。
和紙を置いて
刷毛で糊を塗り
細い桟木に載せて紙を持ち上げ、
前日、天井に打っておいた墨に合わせて紙を置き、
しわや空気を抜きながら刷毛でおさえて1枚ずつ貼っていきます。
上の写真中、赤矢印で囲まれた部分が1枚の大きさです。
和紙の四周は隣の紙と10㎜ずつ重ねています。
2枚の和紙が重なっている部分は、縁取りのように濃い色になっています。
もともと製作された手漉き和紙1枚の大きさは、横方向にこれの2倍の長さがあるのですが、今回の部屋の大きさなどを考慮して、小さめにカットしてから貼った方が美しく(バランスよく)見えるだろうという判断で、約半分にカットしてから貼って頂きました。
後日、同じ紙で壁も貼って下さるのですが、仕上がりがとても楽しみです。
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世界に、300年先も美しい風景を
コロナウィルスの影響で、外出を控えておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
奈良県御所市周辺でも、桜がもうそろそろ満開の時期を迎えようとしていますが、外出を控えておられる方に、少しでも楽しんで頂ければ・・・という思いで昨日撮影してきた御所市内の桜の写真を掲載しておきます。