丹波市築80年の古民家を2世帯住宅として再生」カテゴリーアーカイブ

兵庫県丹波市にある築80年の古民家を3年がかりで再生しました。
奥様のご実家であるこの古民家に、3世代7人の家族が同居することになりました。
農業を生業とするY様のお宅にも、やはり薪ストーブを設置したことで、大変過ごしやすくなりました。

1階床組材の解体とやりかえ/丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

丹波市・Y様邸/古民家再生工事の現場では、先週から母屋の改修工事を優先的に進めています。

Y様邸の母屋は、近畿地方の農家に多い、田の字型プラン・四つ間取りの平面形式なのですが、その四つある和室のうちの2つを、来週から居室としてY様ご一家がお使いになることになったためです。

 

このことが決まってから、まずは大工さんに床組みの解体に取り掛かってもらい、足固め部材の状態を確認してみました。

設計段階でも、僕が床下に潜って足固めをコンコン叩き、木材の状態を確認していたのですが、やはり解体してもう少し詳しく確認してからでないと、最終的にとりかえるか/そのまま活かすか、の判断はできません。
なにしろ今回取り替えなければ、おそらく向こう30年間は取り替えないことになるだろうからです。

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今回、大工さんにお願いして床板を剥がして根太と敷居を撤去してもらい、足固めを丸裸の状態にして、上から、下から、右から、左から叩いて調べてみたところ、やはり足固め下端の白太(しらた)部分が腐ってグサグサになっていました。(上画像 赤↑部)

樹種は国産の桧でしたが、樹齢の若い木でしたから、まぁ仕方ないかな・・・という感じです。
こういうのを目の当たりにすると、やはり100年前後かそれ以上経過した、高齢の木を使うべきだなぁと実感します。

そこで基本的には全ての足固めを取り替えることになり、桧/背7寸の平角材を工務店さんに手配してもらいました。

下の画像は、床組み材の撤去を進めながら、床束を支えるための束石を据え終えたところの状況写真です。

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今ご紹介したのは、母屋/1階の話。
次にご紹介するのは、母屋/2階の話です。

と、ここまで書いたところで予想以上に長い文章になってしまったので、続きはまた。
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ちら

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古民家再生工事と記憶の継承/丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

今日は終戦記念日ですね。

命懸けで日本を守ろうとして犠牲になられた皆様のご冥福を、心よりお祈り致します。

 

兵庫県丹波市で、7月からY様邸・古民家再生工事が始まっています。

遠隔地(当方事務所から現場までは車で1時間半)なので、東風では設計・監理業務だけをお引き受けして、施工は現場に近い有限会社すぎもと工務店さんにお願いしています。

週1回のペースで現場へ行って、施主のY様・すぎもと工務店さんと東風の3者で打ち合わせをしたり、現場の確認をしたりしながら進めています。

 

下の写真は現場での作業の様子です。
今、現場では、後年になって増築された水まわり棟の構造補強と、外壁・屋根の仕舞いが行われています。

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今進めている水まわり棟の解体工事を進めてみたところ、既存の柱が傷んでいたり、既存基礎がコンクリートブロックだったりしたこともあって、かなり多くの柱が新しく入れ替えとなりました。

新しく入れる構造材などは全て現場で刻んでいますが、炎天下でまだ屋根が完全にかかっていないところもある中での作業なので、大工さんが熱中症で体調を崩したりしないかどうか、傍で見ていると心配になります。

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解体工事を始めるまではわからなかったのですが、前回のリフォーム(約30-40年前)の時に、すでに腐って蟻害を受けていた柱や、お風呂の焚口の火が燃え移ったものと思われるぼやの跡なども見つかり、築後約80年を経ているこの建物のこれまでの来し方などが垣間見えてきます。

上記のような痕跡が出てきた場合は、Y様のご両親に現場を見てもらって以前の記憶を辿ってお話を伺い、その話を聞くことでY様にも記憶の継承をしていただく、こういったことも再生工事においてはとても大切なことです。

 

水まわり棟は、今回の工事でほんの少しだけ東へ広げることになったため、新しく庇を設けました。

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台風が来る秋口までには、屋根や外壁の仕舞いがつくと思います。

それまでは、どうか大きな台風が来ませんように・・・。

 
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古民家再生工事が着工しました/丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

今月初旬から、兵庫県丹波市で築後約80年を経たY様邸・古民家の再生工事が始まりました。

現在は解体工事が進んでいます。
解体工事の対象となるのは、主に後年増築された部分の内装や、傷んできた床組み材の部分です。

どの現場でもそうなのですが、内装部材を撤去すると、これまでのこのお宅の変遷が見えてきます。

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黒く見えている部分上の画像で黒く見えている部分は創建当初のものと思われる構造部材。
一方、白木の無塗装木材は後年増築したと推測される骨組みです。

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上の画像はDKの小屋裏の写真です。
屋根の野地板が一部新しい板で葺きかえられているのは、おそらくどこかの時点で雨漏りがあったようです。
軒桁や梁の一部に傷みが見られると共に、それを補強するための措置がとられていました。

今回の工事で傷んでいる部材の取替えや補強工事などもきちんと行います。

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今回工事を担当して下さるのは、兵庫県西脇市の有限会社すぎもと工務店さん
社長の杉本さんは、日本民家再生協会の仲間です。

杉本さん、これからよろしくお願いします。
ほぼ毎週、木曜日にクライアントのY様ご夫妻も交えて、定例現場打合せ会議を行っていく予定です。

今後、ちょこちょこご報告していきますのでどうぞお楽しみに。

 

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雨水の途/兵庫県丹波市古民家再生・耐震改修工事・2世帯住宅

数年前より兵庫県の丹波市で古民家再生のご相談を受けていて、現在間取りの計画中です。
現在、3件の古民家再生物件のご相談を頂いていて、来年は古民家再生物件が多くなりそうです。

築後約100年ほどを経ていると思われる建物ですが、台風の日に打合せで伺った折、玄関先の軒先でふと足元に目をやると、樋の排水がこんな風になっていました。

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原始的でとてもいいなぁ・・・と思い、撮った写真です。

今でこそ下水が道路の下に埋設されていますから、樋は雨水専用の宅内埋設配管を経て放流されますが、昔は下水など整備されていませんでしたから、どこの家もだいたいこんな形で流して処理していることが多いのです。

なんだかちょっとほっとしませんか?
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