古瓦でつくる、雨落ちのある庭

奈良県御所市の民泊改修物件、造園工事を進めてもらっています。
造園工事を手掛けて下さるのは、いつもお願いしている京都市の池内さん。
今回の庭では、庇に樋をつけなかったので、雨落ち(あまおち)という雨水受けの排水溝みたいなものをつくってもらいます。
まずは掘削から。

雨落ち用溝の仕切り板として、和瓦を用います(下の写真)。
これは当社事務所の離れ棟の解体工事で出てきた古い瓦を残しておいたもの。
100年くらい経っているものなので、色ムラや古ぼけた感じがでていて、これが最後出来上がった時にじわっと効いてくるんです。
ほんのちょっとしたことなんですけどね。
でもそれでずいぶん印象が変わります。

古瓦はまだまだ自社でストックしています。
これからつくられるお客様のお庭で欲しくなった時に困らないように、と思って。

今回の現場では建物がL型に回り込んでいるので、雨落ちもL型に。
溝の両端に古瓦を立てて並べていきます。

↑ 雨落ちを渡るところの飛び石も設置して、石灯籠までの道ができました。
ところどころで石が瓦からはみ出しているのが効いてます。

今回据えてもらった石燈篭は、神戸市内に建っていた昭和初期の素晴らしいお宅が解体されるときに譲って頂いたものです。
しばらくうちの事務所で眠っていたのですが、ようやく日の目を見るときが来ました。
京都の著名な庭師(名前は伏せておきます)が戦前に作庭された庭で使われていたのですが、ちょっとユーモラスな感じのフォルムです。

今回、蹲(つくばい)には、高さのある立ち蹲(たちつくばい)を使うことにしてみました。
これは橋の杭のような形をしているから、橋杭型というそうです。

リビングから正対して庭を見たところ。
モミジがまだ小さくてかわいらしいのですが、これから少しずつ大きくなっていって、だんだんイイ感じになっていくのでしょうか。

来週は犬走りのたたきを仕上げていく予定です。
まだ少し先ですが、最終的には苔庭になります。
どうぞお楽しみに。

古民家/石場建て伝統構法 を 高気密・高断熱で暮らしやすく
(株)木造建築 東風のサイトはこちら↓